【テニス肘の痛み】クラブの休会期限の焦りを乗り越えコートに復帰できた理由
「もう、全力でラケットを握ることはできないのかもしれない……」
大好きなテニスを思い切り楽しんでいたCさんを突如襲った、右肘の外側の痛み。整形外科や接骨院など、あらゆる場所を回っても変化が見られず、テニスクラブの休会期限も迫っていました。雑巾を絞るだけでも走る痛みに、焦りと不安が募る日々。しかし、その痛みの要因の一つは、肘の使い過ぎだけでなく、意外なものでした。
この記事の内容
ご相談者様のプロフィール
- 年齢・性別: 50代女性
- 職業: 会社員(デスクワーク)
- 趣味: テニス、スキー
- お悩み: 右肘外側の痛み(手を握る、ラケットを握る、雑巾を絞る、物を持つ、フォアハンドで打つなどの動作で痛む)、生理周期に伴う腰痛
- 既往歴: 大学時代に左右の足関節捻挫を繰り返す、4年前から右肩の痛み(結帯・結髪動作での制限)、4年前に右鼠径ヘルニアの手術

※写真はご本人にご協力いただきました
テニスを楽しむ日々が「痛みと不安」に変わった日
3ヶ月以上前、特にきっかけもなく右肘の外側に痛みを感じるようになったCさん。最初は一時的なものかと思っていましたが、次第にラケットを握る動作だけでなく、日常の「雑巾を絞る」「カバンを持つ」といった何気ない動作でも鋭い痛みが出るようになりました。


「このまま一生、趣味のスポーツができなくなったらどうしよう」
整形外科、接骨院、鍼灸院、整体院と、良くなると聞けばどこへでも足を運びました。テニスクラブも休会して腕を休めましたが、一向に変化の兆しは見えません。最長2ヶ月というクラブの休会期限が刻々と迫る中、焦りとストレスは募る一方でした。
なぜ肘へのアプローチでは変化が続かなかったのか
一般的なケアでは、痛みの出ている「肘」に対して電気を当てたり、マッサージをしたり、湿布を貼ったりすることが多いでしょう。しかし、Fascial Manipulation®(筋膜マニピュレーション)では、「痛む場所=結果であり、原因は別の場所にある」と捉えます。
身体は、頭からつま先まで一枚の「全身タイツ」のような薄い膜(筋膜)で覆われているとイメージしてください。どこか一箇所が引っ張られて突っ張ると、そこから遠く離れた別の場所に、痛みや動かしにくさとして影響が現れることがあります。肘周辺の局所的なケアだけでは変化が長続きしなかったのは、この「タイツの突っ張りの根本」が手つかずのまま残っていたからだと考えられます。

【Fascial Manipulation®(筋膜マニピュレーション)でなぜ治ったのか?】
今回のCさんのケースにおいて、一番の要因となったのはやはりテニスによる「筋骨格系のオーバーユース(使いすぎ)」です。しかし、なぜクラブを休会して腕を休めても痛みが引かなかったのか。そこにFascial Manipulation®(筋膜マニピュレーション)における重要な「痛みの原因を紐解く」ための手がかりがありました。
詳しくお身体を評価していく中で、肘の不調と最も深くリンクしていると考えたのが、4年前から続いていた「右肩の痛み」です。Cさんの右半身において、この右肩の可動域制限や筋膜の突っ張りと今回の右肘の痛みは、一本のラインでつながるように連動していました。肩が本来の滑らかな動きを失っていたために、テニスのスイング時(特にフォアハンドなど)に分散されるべき負荷が、すべて右肘へと集中してしまっていたのです。

さらに、この「オーバーユース」と「右肩の不調」という2つの筋骨格系の要因に、決定的な影響を与えていたのが「年齢に伴う女性ホルモン量の減少(内分泌系の変化)」でした。この時期特有のホルモンバランスの変化は、全身の膜組織の柔軟性や回復力を低下させる傾向があります。つまり、ベースにあった肩と肘の負担に対して、女性ホルモン減少という背景が重なったことで、組織の許容量を超えて強い痛みへと発展してしまったのだと推論できます。
なお、Cさんには過去に足首の捻挫や鼠径ヘルニアの手術といった既往歴もありましたが、これらが今回の肘の痛みに直接的な影響を与えている可能性は低いと判断しました(※手術痕は後の腰痛の引き金にはなっていたものの、肘とは別ルートとして整理します)。
つまり、今回のテニス肘の正体は、「①テニスの過負荷」「②リンクする右肩の硬さ」という筋骨格系の問題に、「③女性ホルモンの減少」という内分泌系の要因が強く影響を及ぼした「複合型の病態」だったのです。このつながりを正確に紐解き、肘に負担を強いていた右肩から腕にかけての的確なポイントへアプローチしたことが、わずか3回でのテニス復帰というスピード解決につながりました。
改善までの歩み
- 初回 ご来院時、雑巾絞りや椅子を持ち上げるテスト(チェアテスト)では、10段階中「8」という強い痛みがあり、椅子を全く持ち上げられませんでした。全身のつながりを評価し、過去の手術痕や足首、肩などに関連する筋膜のポイントへアプローチしたところ、施術後には痛みが半減。椅子をすんなりと持ち上げられるようになりました。

- 2回目(2週間後) 施術前に状態を確認すると、日常生活での雑巾絞りの痛みは「1〜2」、チェアテストの痛みは「3」まで減少していました。さらに、4年前から続いていた右肩の痛みや動かしにくさも楽になっているとのこと。この日の施術後には、雑巾絞りもチェアテストも、痛みを感じる場面がなくなりました。
- 3回目(1ヶ月後) 施術前の時点で、日常生活での痛みは「1」程度に落ち着いていました。この1週間前に待望のテニスを再開され、フォアハンドの際に少しだけ(1〜2程度)痛みを感じたとのことでしたが、順調な経過を維持しています。
- 4回目(さらに1ヶ月後) 右肘・右肩ともに痛みはなく、テニスも日常生活も不安なく送れているとのことでした。肘へのアプローチはここで一旦終了し、4回目からは以前からお悩みだった生理周期の腰痛に対するアプローチへとケアの目的をシフトしていきました。
痛みから解放された、新しい生活
現在もCさんは、月に1度から2ヶ月に1度のペースで、お体の定期的なメンテナンスに通われています。
肘の痛みが軽減しただけでなく、同時並行でケアを進めている腰痛も徐々に緩和してきました。さらに、非常に嬉しいご報告をいただきました。
「スキーの滑りが、驚くほど変わりました!」
学生時代にスキー部だったご主人からも「滑りのキレがすごく良くなった」と褒められたそうです。肘の痛みをきっかけに、全身の膜のつながりを整えたことで、お身体本来のパフォーマンスが引き出され、趣味をより高いレベルで楽しめるようになりました。これからも大好きなテニスとスキーを長く続けられるよう、私たちはサポートを続けていきます。

※写真はイメージです
諦める前に
「もう昔のようにスポーツを楽しめないかもしれない」と諦めかけている方も、どうか希望を捨てないでください。
あなたの痛みの原因は、今触っている場所にないかもしれません。
私たちは、痛む部分だけを見るのではなく、あなたのこれまでの歴史(怪我や手術)や身体のつながり全体に耳を傾け、再び笑顔で趣味や日常生活を楽しめるようアプローチいたします。いつでもお気軽にご相談ください。
同じ悩みを持つ方へのメッセージ
痛みが長引くと、趣味を諦めなければいけないのではないかと心まで塞ぎ込んでしまうものです。しかし、身体はすべてつながっています。意外な場所に隠れた原因を見つけ出し、適切にケアしていくことで、身体は必ず良い方向へ応えてくれます。もう一度、コートで思い切りラケットを振る喜びを一緒に取り戻しましょう。
※当院は医療機関ではありません ※効果には個人差があり、本記事は一個人の経過の紹介です ※気になる症状は医療機関にご相談ください