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5年間治らない野球肩(投球障害肩)、痛みの原因は肘の筋膜にあった!

 
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鍼灸師、あんま・マッサージ・指圧師の国家資格を取得しています。 でも、鍼は使わず、手技のみで「筋膜(fascia)」の調整をしています。 イタリアの理学療法士、ルイージ・ステッコ氏によって考案された『筋膜マニピュレーション®』の国際コースを全て修了しています。さらに、2018年6月にイタリア本部で試験を受けて、筋膜マニピュレーション®セラピスト(Certified Fascial Manipulation® Specialist)として正式に認定されました。この認定を受けているのは日本ではまだ24人。さらに、イタリア本部で試験を受けたのは6人だけ。日本では数少ない筋膜のプロフェッショナルです。
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こんにちは!

3度の飯より筋膜が好き(笑)、筋膜マニアの柿沼秀樹です。

今回は野球肩(投球障害肩)についてお話していきます。

野球におけるピッチャーってとても特別なポジションですよね。

ある意味ではチームの要です。

そして、ピッチャーは小学生からずっとピッチャーという場合がほとんどではないでしょうか?

当然、オーバーユース(使い過ぎ)になりやすい。

怪我をしてしまうと気持ちが焦ってしまうものですよね。

なかなか痛みが取れないと

「いつになったら痛みなく投げられるようになるんだろう?」

「もうすぐ大事な大会なのに、それまでに間に合わなかったらどうしよう」

と不安になりますよね。

分かります。

サッカーをしていたうちの息子も高校3年の時に右膝の半月板を損傷。

競技復帰するまで長くかかりました。

あの時の息子は不安や焦りと闘っていました。

その息子の姿をみている私も苦しかった。

だから、親御さんの気持ちもよく分かります。

あなたは少しでも早く競技復帰したいと願っていますよね。

大丈夫です。

当院では筋膜マニピュレーション®という方法を使って、肩だけでなく肘や手首の筋膜を整えることで「野球肩(投球障害肩)」を改善できると考えています。

それでは、野球肩に対する筋膜マニピュレーション®の効果を改善例とともにご紹介します。

野球肩(投球障害肩)とは?

「もうそんなの分かってるよ!」と叱られそうですが、一応簡単に紹介しますね。

野球肩(投球障害肩)とは、野球などで投球動作をくり返して肩を使い過ぎると肩関節内部やその周囲のさまざまな組織が損傷をおこします。

その結果、投球動作で痛みが出るようになります。

これがいわゆる野球肩(投球障害肩)です。

※野球以外でもバレーボールのアタックやテニスのサービスで発症することもあります。

野球肩(投球障害肩)の症状

投球動作の時に

  • 肩の痛み
  • 肩が抜ける感じ
  • ひっかかり感

を感じます。

野球肩(投球障害肩)のタイプ

整形外科的には、野球肩(投球障害肩)は次の2つに分けられます。

  1. 肩関節内部の問題
  2. 肩関節周囲の問題

1.肩関節内部の問題

  • 肩亜脱臼(かたあだっきゅう)
  • 関節唇損傷(かんせつしんそんしょう)
  • 腱板損傷(けんばんそんしょう)
  • インピンジメント症候群
  • 肩峰下滑液包炎(けんぽうかかつえきほうえん)

などがあります。

肩関節の内部の組織が損傷するケースです。

これらの診断にはCTやMRI検査をしますが、判断が難しいので内視鏡で直接確認しないと本当のところは分からないと言われています。

2.肩関節周囲の問題

こちらは肩を取り巻く周囲の筋肉のアンバランスによって、スムーズに筋肉の力を伝えることができなくなります。

その結果として、野球肩(投球障害肩)の症状が出ます。

一般的には2の「肩関節周囲の問題」が90%を占めると言われていて、適切なリハビリによって回復します。

野球肩(投球障害肩)の一般的な対処法

野球肩の一般的な対処法は2つです。

  1. リハビリテーション(保存療法)
  2. 手術

1.リハビリテーション(保存療法)

  1. 肩を使わない(ノースロー)
  2. 消炎鎮痛剤(痛み止め、炎症止め)
  3. 投球フォームの見直し
  4. インナーマッスルの強化(筋トレ)

引用元:日本整形外科スポーツ医学会「野球肩」

投球フォームの見直しは専門的な知識が必要なので、野球肩(投球障害肩)をしっかり診られる病院や治療院を選ぶべきです。

因みに、私は投球フォームについての知識は残念ながら持ち合わせていません(笑)。

なので、投球フォームはみられませんが、フォームの改善より先に筋膜のバランスを整える方が早い復帰につながると考えています。

筋トレやストレッチも同じです。

先ずは筋膜を整えて痛みをとってからの方が効果的です。

手術

リハビリテーションを3~6カ月続けても改善がみられない場合には、関節鏡手術によって傷ついた組織を修復します。

関節唇損傷や腱板損傷は傷ついた軟骨や腱を縫い合わせて治します。

関節鏡手術のメリットは、傷が小さく済むこと、アウターマッスルを傷つけずに済むことです。

しかし、手術の後投球を再開できるまでに約3カ月。

試合復帰までに約6カ月かかるのが一般的です。

ちょっと長いですよね。

野球肩(投球障害肩)がなかなか治らない理由

肩関節の内部に問題が無ければ、リハビリテーションで良くなります。

良くなるはずです。

しかし、実際には専門家の下で適切なリハビリを続けても3カ月以上改善しないケースも珍しくありません。

どうしてでしょうか?

リハビリテーションでアプローチするのはインナーマッスル(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)やアウターマッスル(三角筋、広背筋、大胸筋、僧帽筋など)と言われる筋肉です。

筋肉の状態が改善しても痛みが取れないということは、痛みを発しているのは筋肉以外のなにかだと考えられます。

結論から言います。

それは、筋膜だと私は考えています。

筋膜とは何か?

「え、筋膜ってなに?」

という方も多いですよね。

ごく簡単に筋膜について説明します。

筋膜とは、私たちの体を覆っているネット状の膜組織です。

下の図をご覧ください。

こんな感じに全身を包んでいます。

私たちの皮膚の下、筋肉の上には筋膜があるのです。

筋膜の特徴

野球肩(投球障害肩)に関わっている筋膜の特徴は2つ。

  1. 筋膜は全身つながっている
  2. 痛みなどの感覚を伝えるセンサーがたくさんある

先程の図でも分かると思いますが、筋膜は全身つながっています。

指先を動かす時にも肘や肩の筋膜が連動して動いています。

その逆もまた真なりで、肩を動かす時には、肘や手首の筋膜も連動して動きます。

例えば、肘や手首の筋膜が固くなると肩の筋膜を引っ張ってしまって肩が痛んだりするのです。

筋膜には痛みや圧力、温度などを感じるセンサーがたくさんあります。

なんと筋肉に比べておよそ6~10倍のセンサーが内蔵されていると言われています。

筋肉より痛みのセンサーがたくさんあるということは、筋肉より痛みを感じやすいということです。

適切なリハビリをしてもなかなか治らない野球肩(投球障害肩)の原因は筋膜の感じる痛みだと考えられます。

原因が筋膜にあるのに筋膜のケアをしていない。

だから長い間痛みがとれずに慢性化するのです。

投球をくり返すことで手首や肘、肩の筋膜は固くなってしまいます。

筋膜が固くなると痛みのセンサーが過敏になって、痛みを感じやすくなります。

こうなると痛みが慢性化してなかなか治りません。

固くなった筋膜を弛めるには筋膜へ直接アプローチしないとダメなんです。

筋膜の構造と痛みのメカニズム

ここで

  • 筋膜が固くなるとはどういうことか?
  • 筋膜が固くなると痛むのはなぜか?

について簡単に説明していきます。

私たちの体を覆っている筋膜は(場所にもよりますが)3層構造になっています。

つまり、3枚の筋膜シートが重なっているのです。

こんな風に。

引用元:『自分でできる筋膜リリースパーフェクトガイド』竹井仁(自由国民社)

この図は3枚の筋膜シートを表しています。

よくみると3枚のシートの線維がタテ・ヨコ・斜めと違っているのが分かると思います。

このシートたちはそれぞれ別の方向へ動くようにできています。

シートとシートの間に入っている疎性結合組織(そせいけつごうそしき)というのは潤滑剤の働きをしていて、主な成分はヒアルロン酸というタンパク質です。

そう、お肌に良いとされるあのヒアルロン酸です!

つまり、膜と膜は滑りあって自由に動けるのが正常な状態です。

ところが、筋膜が固くなってしまうとヒアルロン酸の質が変わってしまって、膜と膜の滑りが悪くなってしまいます。

これが痛みの原因になります。

この図でいうと、上が滑りが悪くなって固くなった筋膜。

下が自由に滑りあっている正常な状態です。

滑りが悪くなった筋膜は自由に動けないので、テンションがかかってしまいます。

引っ張られているような状態です。

筋膜にテンションがかかる(引っ張られる)と痛みなどの感覚を伝えるセンサーが過敏になります。

その結果、少しの刺激でも痛みを感じるようになるのです。

野球肩(投球障害肩)の場合、肩そのものよりも肘や手首の筋膜が固くなって、肩の筋膜を引っ張ってしまって痛みが出ることが多いです。

固くなってしまった筋膜を弛(ゆる)めるには、筋膜へ直接アプローチする必要があります。

筋肉をいくらほぐしても筋膜は弛(ゆる)んでこないのです。

当院では、筋膜マニピュレーション®という国際的に認められたメソッドを使って固くなった筋膜弛めます。

全身の筋膜バランスを整えていくのが目的です。

では、改善例をご紹介しましょう。

5年間野球肩が治らなかったAさんの改善例

5年前から投球時に肩に痛みを感じるようになったAさん(30代 男性)

以下、Aさんのお話

5年くらい前から投球する時に右肩が痛むようになりました。

最初は投げるときだけだったのですが、いまは腕を上げるだけで嫌な痛みを感じます。

小学生の時からずっとピッチャーでした。

いまもアマチュアの社会人リーグで投げています。

ずっと肘を痛めていて、7年前に内側側副靭帯の再建術(トミー・ジョン手術)を受けました。

その後、肘の痛みはなくなったのですが、いまは肩が痛くて…。

この痛みから解放されたいといろいろな治療を受けましたが、効果はありませんでした。

整形外科でのMRI検査で

  • 関節唇損傷
  • インターナルインピンジメント
  • ベネット骨棘(こつきょく)
  • ルーズショルダー

と言われました。

できるなら痛みなく投げられるようになりたいです。

問診から仮説を立てる

この話を聞いて先ず考えたのが、「肘の筋膜に問題があるのでは?」ということ。

ただでさえピッチングは、肘の周囲の組織に負担がかかります。

その上、肘の手術をされていました。

先程、「筋膜が固くよじれて滑らなくなると痛みの原因になる」とお伝えしました。

この筋膜が滑らなくなってしまう要因は、

  1. 使い過ぎ症候群(繰り返し同じところに負担がかかる)
  2. 捻挫、骨折、手術などで筋膜が損傷する
  3. ギプス固定などで一定期間関節を動かさない

などです。

そうなんです。

Aさんの場合、全部当てはまってしまうんです。

  1. 小学生の時からピッチャー
  2. 肘の手術をして筋膜を切り裂いている
  3. 肘の手術後、一定期間肘を固定している

因みに、トミー・ジョン手術は、先日エンゼルスの大谷翔平選手も受けたやつです。

話を戻します。

これだけ状況証拠がそろうと肘の筋膜を疑わざるを得ません(笑)。

「肘の使い過ぎと手術の影響で肘の筋膜が固く滑らなくなってしまった。

その結果、肩の筋膜を引っ張ってしまって痛みが出ているのではないか。」

というのが私の仮説です。

動きの検査

続いて痛む動きを検査であぶり出していきます。

一番痛む動きはこちら。

投球動作でアクセラレーションと言われる状態です。

この時に最も肘や肩に負担がかかります。

そして、痛む場所はこちら。

肩先です。

こちらが手術痕です。

5年間治らない野球肩、Aさんの筋膜の状態をチェック

続いて肘と肩の筋膜の状態をチェック。

いくつか筋膜の滑りが悪くなっているポイントをみつけました。

そして、これらのポイントをリリース。

筋膜の滑りを回復させました。

先程、一番痛んだ投球動作をしていただきます。

すると、

「お、かーるいっす!痛みもほとんどないです。」

と仰るではありませんか。

良い感じです!

1回目の施術はここで終了。

2回目は2週間後。

その後の状態をお訊ねすると、

「少し痛みが残っている程度です。肩先に引っかかる感じがありますけど。」

効果も持続しているようです。

この間に一度登板されたそうですが、

痛みが出ることもなく、

その後に痛みを感じることもなかったそうです。

「劇的に改善しました!」

とうれしいご報告をいただきました!

前回の治療の方向性は間違っていないと確信したので、2回目も同じポイントをリリース。

そして、再検査。

投球動作をしていただきます。

すると、

「感動的です!

痛みもないですし、肩先の引っかかる感じもありません。

少し胸の辺りに引っかかる感じがありますけど、これも肩が気にならなくなったからだと思います。」

今回の写真は患者様ご本人にご協力いただきました。

2回目の治療後に撮影させていただいたのですが、痛む角度のポーズをとった時に

「この状態で保ってられるのがスゴイです」

「痛くてやってられなかったですからね」

と仰ってくださいました。

まとめ

Aさんは整形外科で

  • 関節唇損傷
  • インターナルインピンジメント
  • ベネット骨棘

などの肩関節の内部に損傷があると指摘されていました。

しかし、筋膜の治療で改善したことを考えると、Aさんが感じていた痛みの原因は、関節唇損傷ではなかったのだと思います。

なぜなら筋膜マニピュレーション®で関節唇損傷やベネット骨棘が改善するとは考えにくいからです。

野球肩(投球障害肩)などの使い過ぎによる痛みは、筋膜が関わっていることが多いと感じています。

特に適切なリハビリをしても長い間改善しないのであれば、ぜひ筋膜への施術を選択肢の一つとしてお考えください。

Aさんのように関節内部に問題があっても、それが痛みの原因とは限りません。

筋膜マニピュレーション®で改善できる可能性があります。

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鍼灸師、あんま・マッサージ・指圧師の国家資格を取得しています。 でも、鍼は使わず、手技のみで「筋膜(fascia)」の調整をしています。 イタリアの理学療法士、ルイージ・ステッコ氏によって考案された『筋膜マニピュレーション®』の国際コースを全て修了しています。さらに、2018年6月にイタリア本部で試験を受けて、筋膜マニピュレーション®セラピスト(Certified Fascial Manipulation® Specialist)として正式に認定されました。この認定を受けているのは日本ではまだ24人。さらに、イタリア本部で試験を受けたのは6人だけ。日本では数少ない筋膜のプロフェッショナルです。
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