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2ヶ月アキレス腱の痛みを抱えたまま東京マラソンを完走したら、悪化してしまったランナー(50代男性)の症例

 
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鍼灸師、あんま・マッサージ・指圧師の国家資格を取得しています。 でも、鍼は使わず、手技のみで「筋膜(fascia)」の調整をしています。 イタリアの理学療法士、ルイージ・ステッコ氏によって考案された『筋膜マニピュレーション®』の国際コースを全て修了しています。さらに、2018年6月にイタリア本部で試験を受けて、筋膜マニピュレーション®セラピスト(Certified Fascial Manipulation® Specialist)として正式に認定されました。この認定を受けているのは日本ではまだ24人。さらに、イタリア本部で試験を受けたのは6人だけ。日本では数少ない筋膜のプロフェッショナルです。
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アキレス腱の痛みは、多くのランナーが一度は経験する悩みです。

走る距離が増えたり、疲れがたまったりすると、ふくらはぎからかかとにかけての部分に違和感や痛みが出やすくなります。

無理をしながら走り続けると、痛みが長引いたり、さらに悪化してしまうこともあります。
今回紹介するのは、2ヶ月ほどアキレス腱の痛みを抱えながら練習を続け、東京マラソンを完走した50代の男性ランナーのケースです。

レース後に痛みが強くなり、日常生活にも支障が出るほど悪化してしまいました。


この症例を通して、Fascial ManipulationⓇ(ファッシャル・マニピュレーション)という新しい選択肢がどのように役立つのかを、ランナーの皆さんにもわかりやすくお伝えしていきます。

アキレス腱の痛みが悪化してしまったマラソンランナーNさん(50代男性)の症状をチェック

今回、アキレス腱の痛みにお悩みだったのはマラソンランナーのNさん(50代男性)。

先ずはNさんのお話。

今年のお正月明けた頃からアキレス腱(右)に痛みを感じていました。

でも、3月の初めに東京マラソンが決まっていたので、そのまま練習を続けて出場しました。

レースそのものはなんとか完走できたのですが、その後は痛みが悪化してしまいました。

今は日常生活でも痛みを感じています。特に、朝の一歩目は結構な痛みを感じます。

ランニングは継続していますが、スピード練習の翌日は痛みが強くなります。

振り返ってみると、初めてアキレス腱が痛いと自覚したのは5年ほど前でした。

これまでは、身体を休めたり、マッサージやストレッチをすることでなんとかやり過ごして来たのですが、今回は一向に良くなって来ません。

「このまま走れなくなったら嫌だな」と思いお邪魔しました。

今年は8月に北海道マラソンを走る予定なので、なんとかしたいと思っています。

Nさんのご来院は4月中旬でしたので、発症から3ヶ月が経過していました。

「このまま走れなかったら嫌だな」

「ちゃんと治っていくのだろうか?」

「目標のレースに間に合うだろうか?」

ランナーとしては不安になってしまいますよね。

Nさんの痛みの場所と痛みの出る条件を確認

続いてNさんの痛みの場所を確認します。

痛む場所はここ。アキレス腱の真上。

※写真はご本人にご協力いただきました

このように圧迫する(つまむ)と痛みます。

片足でジャンプをしても痛みが出ます。

Nさんの過去の怪我を確認

続いて、Nさんが過去にどういう怪我をしたことがあるかを確認します。

過去の怪我が影響して現在の症状が出ている可能性があるからです。

Nさんは高校時代にサッカー部に所属していて、当時(30年以上前)右膝の前十字靭帯を部分断裂し、競技復帰まで6ヶ月かかっていました。

筋膜を固く(滑りを悪く)してしまう要因は3つあります。

  • 使い過ぎ(オーバーユース)
  • 炎症(捻挫、骨折、肉離れなど)
  • 使わな過ぎ(骨折などの固定期間)

Nさんの場合は、靭帯損傷による炎症と固定期間があったので、筋膜が固く(滑りが悪く)なっている可能性がありました。

「30年以上も前のことが影響するのだろうか?」と思われるかもしれません。

しかし、影響するのです。

筋膜の固さ(滑りの悪さ)は一度できてしまうと、時間が経ってもなくなったりはしないのです。

Nさんの筋膜の状態を確認して初回の施術

上記のことを踏まえて、右の太もも、ふくらはぎ、足部の筋膜の状態を確認しました。

その結果は次の通りです。

赤い点が痛む場所、黄色い点が筋膜の固く(滑りが悪く)なっている所です。

黄色い点、6カ所の筋膜をリリースしました。

アキレス腱の痛みにお悩みのNさんの2回目の施術

2回目の施術はちょうど2週間後でした。

Nさんのお話

施術を受けてから、痛みが半減しました!

一回でこんなに変わるとは思っていませんでした。

ただ、先週末にスピードを上げてみてから、少し痛みが戻って来た感じです。

なかなか良い反応でしたので、2回目の施術も初回と同じラインに沿って施術をしました。

アキレス腱の痛みにお悩みのNさんの3回目の施術

3回目の施術は約1ヶ月後でした。

治療の後1週間くらいは痛まなかったのですが、それから痛みが戻ってきてしまって、今はまあまあ痛んでいます。

うーん、なんとも微妙な結果ですね。

あまり改善がみられなかったということを踏まえて、もう一度筋膜の状態を確認しました。

すると、これまでとは違うラインに筋膜の固さ(滑りの悪さ)がみつかりました。

今回はラインを変えて施術しました。

黄色い点が筋膜の固い(滑りの悪い)ところ、赤い点が痛む場所です。

アキレス腱の痛みにお悩みのNさんの施術の結果とまとめ

実はNさん、3回目の施術を最後に通院されなくなってしまいました。

2回目の施術の結果は、あまり芳しくなかったので、「良くならなかったのでは?」と心配していました。

Nさんが次にご来院くださったのは2年半後。

「アキレス腱の痛みはどうなったのか」お尋ねすると、

あの後は痛みが全くなくなって、戻ってくることもありませんでした。

いまでも走り続けていますし、順調にレースにも出場できています。

あの時はありがとうございました!

今回は2ヶ月前から右のお尻に坐骨神経痛の様な痛みが出てしまって治らないので、そちらをなんとかしたいと思ってお邪魔しました。

いやー、良くなっていて本当に良かった!

良くならなかったんじゃないか、と思っている方が改善されているとホッとしますね。

右のお尻の坐骨神経痛のような痛みを1回目の施術で大幅に改善して、現在は次回の東京マラソンに向けて順調に練習されているようです。

アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎と呼ばれる症状は、筋膜が関与している可能性が高いです。

あなたのアキレス腱の痛みも筋膜が関わっているかもしれません。

ただ安静にして改善するのを待つよりも、当院の筋膜調整(Fascial ManipulationⓇ:ファッシャル・マニピュレーション)を試してみてはいかがでしょうか。

なぜ「アキレス腱」の痛みに「筋膜」が関係するのか?

アキレス腱の痛みがなかなか引かないとき、実はアキレス腱そのものだけでなく、その周囲を包む「膜」のコンディションが大きく関わっています。ここで重要になるのが、「パラテノン」という組織です。

アキレス腱を守る「パラテノン」の役割

アキレス腱は、体の中で最も太くて強い腱ですが、実は非常にデリケートです。このアキレス腱をストッキングのようにぴたっと包み込み、保護しているのが「パラテノン」という薄い膜です。

パラテノンの主な役割は、アキレス腱がスムーズに動けるように「滑り」を助けること。しかし、このパラテノンは単独で存在しているわけではありません。実は、全身を覆う「深筋膜(しんきんまく)」という膜と地続きになっており、お互いに影響し合う一つのユニットとして機能しています。

「筋膜の硬さ」がアキレス腱を締め付ける?

Fascial ManipulationⓇ(ファッシャル・マニピュレーション)で治療のターゲットとなるこの「深筋膜」が、過去の怪我やオーバーユースで固くなってしまう(滑りが悪くなる)と、以下のような悪循環が起こります。

  1. 連鎖する硬さ: 深筋膜が固くなると、つながっているパラテノンまで一緒に引きつれ、固くなってしまいます。
  2. 摩擦の発生: 本来スルスルと滑るはずのパラテノンが固まると、アキレス腱との間に摩擦が生じ、炎症や痛みを引き起こします。
  3. 炎症の定着: アキレス腱やパラテノンで起きた炎症は、さらに周囲の筋膜を「糊(のり)」のようにベタつかせ、ますます滑走性を奪ってしまいます。

痛い場所(アキレス腱)だけを触っても治らない理由

Nさんのケースで、アキレス腱そのものではなく、太ももやふくらはぎのポイント(筋膜)を調整したのはこのためです。

アキレス腱を直接マッサージしても痛みが繰り返す場合、それは「アキレス腱を包む膜の滑り」を邪魔している大元の筋膜が、別の場所に隠れているからかもしれません。

パラテノンと深筋膜のつながりを整え、アキレス腱が自由に動けるスペースを取り戻してあげること。それが、長引く痛みから抜け出すための鍵となります。

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鍼灸師、あんま・マッサージ・指圧師の国家資格を取得しています。 でも、鍼は使わず、手技のみで「筋膜(fascia)」の調整をしています。 イタリアの理学療法士、ルイージ・ステッコ氏によって考案された『筋膜マニピュレーション®』の国際コースを全て修了しています。さらに、2018年6月にイタリア本部で試験を受けて、筋膜マニピュレーション®セラピスト(Certified Fascial Manipulation® Specialist)として正式に認定されました。この認定を受けているのは日本ではまだ24人。さらに、イタリア本部で試験を受けたのは6人だけ。日本では数少ない筋膜のプロフェッショナルです。
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